kanayama-castle photo :No1. No2.

月ノ池/大手道周辺は小規模の曲輪が階段状につらなる/本城(左列)
大手虎口/日ノ池/天主曲輪(右列)

月ノ池
発掘調査前は汚泥が堆積する窪地状の池だったが、日ノ池と同様に上下2段の石垣で囲まれた戦国時代の池であると確認された。
下段の石垣は、石敷き平坦面から≒2m下に積まれており、その内側からは、加工された建築材や石垣の石が多く投げ込まれた状況で見つかった。
また、池の石垣が1段しかなかった時期があったこともわかり、谷地形を利用して造られているため、1段だけでは集中豪雨に水が溢れたと考えられる。
そのため、かつ水をより多く蓄えられるように、池の忠臣を東に移動し上下2段に改修したようだ。
本城
城郭全体の中枢で≒1万坪の広さがある。
実(み)城ともいい城主の御殿があったので城主を「実城殿」とも呼んだ。
御殿の礎石は列石状で出土し、主要郭6ヶ所・腰郭3ヶ所、武者造り、堀切りは壕内道を兼ねている。

大手虎口(こぐち)
城の一大防御拠点として、もっとも重要な場所であり、谷地を利用して築かれ、月ノ池脇から正面土塁までの大規模な「構え」となっている。
緩やかに曲がった大手通路を見下ろすように両側に壇状の曲輪が配置されていた。
大手通路の先には正面土塁、横矢を射るための壇状土塁とうが設けられ大規模な構造になっている。
日ノ池
15×16.5mの円形の池で、発掘調査により2ヶ所の石組み井戸、石階段が発見された。
さらの石敷きのしたから日ノ池へ通じる通路跡・改修工事を行った跡・谷を塞き止め斜面から流水や湧き水を貯める構造になっていた。
山城では珍しい大きな池であり、生活用水確保のためだけでなく、先勝祈願や雨乞いとうを行った儀式の場所でもある。
天主曲輪
本城最高位の郭で「本丸」といわれていたところ。
西北の角には城中で最大の石垣が使用され、角矢倉形式の大建造物があったという。
この郭は、金山城鎮護の神聖な地域であり、源氏の守り神の八幡宮が祭られていたが、廃城後は新田義貞を祀る「新田祠」という小さな石宮があった。
現在の社は明治8年に建立された「新田神社」。

photo:あられ


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