1.返り点 漢文は中国の構造なので、日本語の語序に合わせなければならない。
訓読みの際には単語の位置を並べ替える必要が生じ、そのために用いられる記号を「返り点」とゆう。 |
@.「レ点」-------すぐ上の一字に返る。
在テハ鮭けいノレ羹あつものニ一風 味 満二歯ツ頬ニ一
赤字の部分です。
例として、
少 年 易クレ老イ学 難シレ成
少年老い易く学成り難し |
A.「一二三点」-------何字か隔てて上へ返る。
在テハ鮭けいノレ羹あつものニ一風 味 満二歯ツ頬ニ一
赤字の部分です。
例として、
花二有リ二清 香一月二有リレ陰
花に清香あり月に陰有り |
B.「上中下点」-------「レ点」や「一二三点」を用いても足りない場合。(めったにない)
珍しいので例:
欲ス下把ツテ二西 湖ヲ一比セント中西子ニ上
西湖を把(と)って西子に比(ひ)せんと欲す |
※一般には「レ」点と「一二三点」との併用が多い。
※さらに不足の場合は、「甲乙丙点」や「天地人点」を併用する場合もあるが、こてこての漢文にしかない。 |
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2.送り仮名 原則として(縦書きの場合)漢字の右下に記したカナのこと。
カタカナを使いひらがなの「ふりがな」と区別する。 |
在テハ鮭けいノレ羹あつものニ一風 味 満二歯ツ頬ニ一
赤字の部分です。
@.活用語は活用する部分から送る。
読ム/到ル/美シ/堂々タリ/etc
A.副詞・接続詞は最後の一字を送る。(原則として)
唯ダ/復タ/乃チ/則チ/etc
B.意味合いから、助動詞的なものを付けた方がいい場合。
下線の部分。
天命ナリ/貶へんセラル/etc
C.必要な助詞を補佐する。
下線の部分。
看ル二月ノ光ヲ一 |
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3.再読漢字
漢文では日本語で訓読みできない特殊文字がある。
未(いまだ○○○ず)/将(まさに○○○す)/当・応(まさに○○○べし)/須(すべからく○○○べし)/etc 例として、 |
未ダレ若カニ文 章 之 無 窮ナルカ一
いまだ文章の無窮なるにしかず
及ンデレ時ニ当二ニ勉 励ス一
時に及んでまさに勉励すべし |
書き下(くだ)し文---読み下し文ともいう---
訓読した文章をそのまま仮名まじり文としたもので、原則として読んだ通りに書けばよい。
1.訓読み文は、特にことわりがない限り歴史的なかなづかいに基づく。
2.文語文でふつうにひらがなにしている助動詞や助詞は、ひらがなにした方がよい。
下線の部分。
千 里 之 行
千里の行 |