琥珀/太古の樹木樹脂が化石化 amber

Johnnie Walker.
この世に琥珀ほど神秘的で魅力溢れる物質はない!
瞬時に閉じ込められた昆虫や羽毛や植物といった結晶が自然の模様を形成し、同じモノがひとつとない。
よくウイスキーの色になぞられたりする。
そう、あの大ヒット映画ジュラシック・パークの恐竜も、琥珀から吸血昆虫のDNAを取り出して再生されたのだった。
ちなみに、こちらは岩手県久慈産!
「樹脂の化石」といわれる琥珀は、数千年前〜数億年前に樹木の樹脂が土砂とうに埋もれ化石化したものである。
宝石類はほとんどが鉱物か動物からできるが、琥珀のように植物から成り立ち、しかも成生時に動物や昆虫、葉や花を閉じ込め、未来永劫そのままの姿にとどめてしまうのは面白い。

また、色もお馴染みの「黄」「茶」「赤」ばかりでなく、「青」「緑」「白」「黒」、確認されているだけで250色もあるという。
硬度は2〜2.5で、大理石3より柔らかく、爪2.5・石膏2とほぼ同じだ。
参考:ダイヤモンド10・水晶7・ナイフの刃6.5・硝子5.5・黒よう石5・真珠3.5

色も豊富に取り揃えられ加工もしやすい...とくれば古代人が放っておくはずがない。
しかも彼らはオシャレである。
世界中では1万年以上前の遺跡から琥珀の加工品が出土しているが、日本では1998年に北海道千歳市の「柏台遺跡」から、最も古いだろう(≒2万年前)と思われる小玉が発見された。

”琥珀貿易路”ができ、埋蔵量では世界の2/3があるといわれるバルト海沿岸(琥珀海岸線)地域と地中海地域で盛んに交易が行われ、琥珀の行き交った路アンバー・ルートがあった。
とてもステキな名前...シルク・ロードにも勝るとも劣らない。
そして、この琥珀の路が日本にもあるらしい!

わが国では、久慈市(岩手県)周辺が大産地で、中生代白亜紀後期(≒8500万年前)という世界最古恐竜時代の琥珀が産出される。
他には、北海道や九州の炭田地帯、いわき市(福島県)・銚子海沿い(千葉県)瑞浪市(岐阜県)がある。

奈良にある有力豪族の古墳から、勾玉や棗(なつめ)玉や小玉とうの琥珀の加工品が見つかり、久慈産のものだと解明された。
ならば、東北と大和朝廷の本拠地奈良を結ぶアンバー・ルートがあるはず、と研究がなされているのだ。

世界最大級で、40×40cmの≒19.9Kg!

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