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chateau d' if/イフ城



1516年、フランス王フランソワ1世は、マリニャンの勝利後マルセイユに立ち寄り、イフ島の防衛を調査し、島に要塞建設命令を下した。8年後、シャール・クァンの軍がマルセイユ攻撃に出るが、ミンダル王の親任官が侵略者を撃退。だが、さらに町の防衛強化が必要となった。
1524年、港の出入口を守るための城壁を建設したが、町民からは、”煩わしい隣人”とあざ名され、その価値を認めてもらえない。さらに、200人の軍人と22門の大砲が配置されると、中央集権的象徴である城が自領地に存在していることで激しい抗議が起こった。
1481年、マルセイユはフランスに合併されるが、実際には独自に自衛権を行使するとゆう特権を維持していた。
1531年7月、3ヘクタールの石灰質の小島に聳える城塞が完成。
1536年、シャール・クァン自らマルセイユ攻撃をするが、要塞に妨げられ失敗に終わった。
16世紀中ごろ、城の地理的状況や建物の構造から、逃亡不可能にも思えることで刑務所として使われ始め、最初の囚人は君主制に対する謀反の罪に問われたアンセルムの騎士だとゆわれている。
その後も歴史に名を残す人物が多く投獄された。最後の有名人囚人となったのはクレベール将軍で、1800年に遠くカイロで暗殺されたあと、棺が18年間イフ城に置かれたのだ。
その後も政治犯や活動家が多く送還された。


一辺28mの正方形、広い砲眼がある円筒形の3本の塔が側面を固めている。
<1>サン・クリストフの塔
22mと最も高く、島の北西部に位置し広く一望を見下ろしている。
<2>サン・ジョームの塔・<3>モグヴェールの塔
それぞれ北東と南東に位置し、町に対峙するように建てられている。

狭く奥行きのある中庭を見下ろす広々としたテラスに続く3本の塔は、中庭に面した入口が2階にある。
住居と台所は1階にあり、保塁は2階に作られている。
イフ城を無敵の城砦にした強大な攻撃力がここに集結されている。
城は3階建てである。


【小説】
作品名、「モンテ・クリスト伯」いわゆる「岩窟王」。作家、アレクサンドル・デュマ。
イフ城の名声はなんとゆってもこの小説に負うところが大きい。主人公の「エドモン・ダンテス」が監禁されていた場所なのだ。

...あらすじ...
メルセデスとの結婚の日、エドモン・ダンテスは若く野心的な検察官ヴィルフォールにより、イフ城に投獄されてしまう。恋と事業のライバルであるダングラールとモンデゴにより、不当にスパイ容疑で訴えられ14年間監禁される。
囚われの身となって8年後、ファリア神父と出会いがダンテスにとっては決定的な邂逅(かいこう)となり、この老神父の弟子となった。ふたりは一緒に脱獄を計画するが、ファリアは牢獄で死んでしまう。2つの牢屋の間に掘られた抜け穴を通り、ファリアの死体を包み、海に投げ捨てるために用意された袋の中にダンテスは体を滑り込ませた。ダンテスはこのようにしてイフ城からの単独脱獄に成功、伝説をつくった。
モンテ・クリスト島で神父の宝を発見すると復讐を開始。彼は次々に不可思議な、モンテ・クリスト伯・ウィルモア卿・ブゾニ神父、そしてバートロメ・ザッコーヌとなり、憎きダングラールを破壊へと導き、モンデゴとヴィルフォールを自殺へと追いつめた。

小説は、
1844年「レ・デバ」とゆう新聞の連載小説として発表
1845年18巻の本出版
1848年アレクサンドル・デュマ自身により演劇化。
1907年映画に登場(現在23本)
世界中で大成功をおさめた。


photo:酎隊長


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